オリンピック後のバンクーバーについて考える

2010年7月26日 企友会主催パネルディスカッション「ザ・座談会」よりバンクーバー新報記事

●さまざまな業界からパネラーが集まった座談会

約2年前から開催されている企友会主催の座談会は、「為になる井戸端会議」として好評を得ている。講演会とは違い、聴衆も気軽にパネルディスカッションに参加できるところがその魅力だ。今回の座談会のパネラーは、Blue Tree Management の岡本裕明氏、カナディアンメイトツアーズの佐藤稔氏、サットン不動産の村上丈二氏、Bambooshrimp Marketing の遠竹啓太郎氏、ダグラスカレッジ学生の皆川香奈子氏、本紙記者の三島直美氏の6人。不動産業、旅行業、飲食業など各界で活躍するパネラーからオリンピック開催前、そして開催中の興味深いエピソードも紹介され、会場からは時折笑いが起きた。

●オリンピック準備から現在に至るまで

2010年冬季五輪がバンクーバーで開催されることが決定したのは2003年7月だ。それから開催までの約6年半の間に、競技施設の建設や、カナダライン開通等のインフラ整備が進んだ。プライスウォーターハウスクーパースの調査によると、五輪の経済効果は開催前にすでに10億ドルに達していたという。しかし、各業界でそれぞれのビジネスが受けた影響については、数字で表す事は難しい。例えば、セキュリティー対策や交通規制が、駐車場の経営に影響を与えたり、旅行業や不動産業では通常の顧客と異なるニーズを持つ五輪選手や報道関係者の移動や宿泊先の手配が必要になったりしたそうだ。座談会の中ではこのようなユニークな経験について、パネラーから話を聞くことができた。景気が悪い中で開催された2010年冬季五輪だが、パネラー全員からバンクーバーで五輪が開催されて良かったという結論が出た。

●オリンピック後のバンクーバー、ビジネスを予想する

2008年の金融危機以降、世界的な景気低迷が続いている。最近ではギリシャ財政危機をきっかけに世界に信用不安が広がり、米国経済と密接に関係するカナダ経済が、その影響を受けることは確かだ。また、BC州では7月1日からHSTが導入され、消費者が負担する税金が上がった。レストランでの食事に対する消費税の増加で、飲食業は特に大きな影響を受ける事が予想される。2010年は五輪開催で華やかに始まり、現在は観光シーズンで賑わうバンクーバーだが、秋から冬にかけてのビジネスへの影響が気になるところだ。座談会では岡本氏がモデレーターを務め、これからの懸念について活発な意見交換が行われた。税制赫々、為替変動、変化し続ける消費者の嗜好など、ビジネスに影響を与えるさまざまな要因について、個人がすべて把握することは困難だ。解決法はやはり、バンクーバーの日系社会が団結し、今回の座談会のような話し合いの場を設けて意見を出し合っていくことではないだろうか。

取材 船山裕衣 <バンクーバー新報より抜粋転写>

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